骨粗鬆症とは、骨の量が減り、骨の質も劣化することで骨が弱くなり、骨折しやすくなった状態です。 骨粗鬆症になっても痛みを生じないケースがほとんどであり、ちょっとしたはずみで背骨が折れたり、転んだときに手首、太ももの付け根(近位部)などの骨折生じやすくなっています。症状がなくてもレントゲン、骨密度測定、採血などの検査で骨粗鬆症と診断されます。
全身の骨は生涯にわたって合成と分解を続けていますが、高齢の方、特に閉経後の女性では骨の合成が低下するとともに分解が進み、骨の量が減少していきます。50歳代の女性では20%以上の方が骨粗鬆症の状態であり、60歳代では50%、70歳代以上になると70%以上の方がの骨粗鬆症の状態であるとも言われております。骨量・骨の強度が低下することにより背骨、大腿骨近位部、手関節などの骨折が生じやすくなります。
特に大腿骨近位部を骨折すると、多くの場合手術になりますので長期間の安静が必要となり、介護も必要となります。現在、介護が必要となる人の5人に1人は「骨折、転倒、関節疾患」が原因です!
骨密度を図るにはDXA(デキサ)法、超音波法、MD法、CT法などがありますが、現在、最も信頼性の高いのは、DXA法であり、腰椎と大腿骨の骨密度を測定することが骨粗鬆症ガイドラインで推奨されています。当院では、腰椎、大腿骨、必要に応じて前腕も測定できる最新の高性能DXA(日立アロカ社製 X線骨密度測定装置DCS-900FX)を導入しています。
骨粗鬆症の治療は、ウォーキングやエアロビクスなどの運動、カルシウムやビタミンD・Kなどの栄養、そして日光浴が重要であることも知られています。
また、薬物療法に関しては骨吸収抑制剤や骨形成促進剤があり、患者さんごとに合わせた適切な治療を行います。
骨粗鬆症は、運動・栄養・薬物療法が三位一体となることで、骨粗鬆症やそれに関連する脊椎骨折、大腿骨近位部骨折を予防し、寝たきりや死亡率を低下させ健康寿命を延ばすことが可能になります。
骨粗鬆症の予防法としては、主に以下のようなことが挙げられます。
また、骨粗鬆症の予防法としての運動は、リハビリテーションでいうところの運動療法にあたり、荷重運動や抵抗運動、バランス運動が推奨され、以下のような効果が期待できます。
以下のような運動を行うことで、寝たきりや引きこもりにならない元気な足腰を作りましょう。
※膝や腰に痛みを伴う場合は中止して下さい。
※普段から運動を行っていない方は、まずは介助者と一緒に行うようにして下さい。